コンピューター好きのブログ

主にコンピューター・ラズパイと電子工作・オーディオ関連の記事を書いています。

Intel打倒の使命感に燃えて入手したCPUのおはなし(AMD Phenom II X4 955 Black Edition)

2009年当時、日経WinPCなどのパソコン雑誌や、AKIBA PC Hotline(PCパーツ情報サイト)を見ると、IntelのCore 2旋風が吹き荒れていました。

以前購入したAthlon BE-2350はコストパフォーマンスや省電力という点で結構いいCPUだと思いますが、Core 2シリーズと比べると性能差は歴然としていました。

 

このとき、Intel一辺倒な世の中に、一矢報いなければいけないという訳の分からない使命感を持ち、購入したのがAMD Phenom II x4 955 Black Editionでした。

 


4コアでクロック数は3.2GHz、PassMarkの値は3937

ライバルのIntel Core 2 Quad 9650がPassMark値4184ですので、遜色ない性能でしたが、ピーク時の消費電力は、爆熱CPUのPentium D 820よりも高くなってしまいました。(Pentium D 820はTDP 95W、Phenom II x4 955はTDP 125W)

 

爆熱に懲りてAthlon BE-2350にしたのにまた爆熱に戻るとは。。我ながらバカですね。まぁPhenom IIには負荷状況によりクロック数を自動的に増減する機能が付いていたので、いつでもフル回転ということがなく、CPUファンの爆音を経験したことはそんなに無かったですが。

 

ひとまず熱のことは置いておいて、当初の目的のため、さっそく、クロックアップを試みました。すると、あっさり3.5GHzを達成し、Core 2 Quadの定格性能を超えることができました。

万歳!です。本当ならガッツポーズをとるところです。しかし、このとき私の中に禁断の感情が芽生えてしまいました。「それがなんだ」と思ってしまったのです。

余りにもあっさり目的を果たせてしまったので、IntelのCPUを超えると意気込んでいた気持ちはいっきに萎んでしまいました。

性能の良いCPUを手に入れたからと言って何をするわけでも無いし。。

 

そういえばこの頃からかもしれませんね。CPU性能が必要十分になってきたのは。

CPUはどんどん性能が向上していますが、その性能を必要とするアプリはあまりなく、PassMark値が2000くらいのローエンドのCPUでも、Webサイトを見たり、Officeを使ったり、HD動画を見たりする分には、ほとんど不自由を感じることが無いように思います。

 

もちろん、重い3Dゲームや動画エンコードなどに使うCPUは速ければ速いほど良いのでしょうが、最近はビデオカード(GPU)の支援機能を使うことが多く、そちらの方が数多くの単純な計算をするには速いので、CPUに頼ることが少なくなっています。

 

CPUはOSやアプリなどを動かすために多くの命令をサポートしており、複雑な計算をするのに向いていますが、演算装置(コア)は多くても数十個です。つまり数十個しか同時に計算することができません。

一方、GPUはサポートしている命令が少なく、単純な計算しかできませんが、数百、数千といった数の演算装置(Streaming Processor(SP))を持っているので、非常に多くの計算を同時に行えます。

このため、画像処理など単純な計算をたくさんする場合は、同時にたくさんの計算ができるGPUの方が向いているのです。

最近は仮想通貨のマイニングAIの計算にもGPUが使われますね。

 

勢いでPhenom IIを買ったものの、持て余してしまい、結局あまり活用することなく、ほどなくしてカミさんの実家に譲ってしまいました。

その後、カミさんの実家でもあまり使われることなく、今から数年前に壊れて起動しなくなったため、お役御免となりました。

 

Phenom II以降、私の用途ではそれほど高いCPU性能が必要ないため、デスクトップ用のちゃんとしたCPUは購入していません。

 

いつか何かがやりたくなって買いたくなる日が来るのでしょうか。

 

以下はクローゼットを片付けているときに見つけたPhenom II x4 955 Black Editionの箱です。何だか愛着があって捨てられません(^_^;)

Phenom II x4 955 Black Edition の箱の写真

Phenom II x4 955 Black Edition の箱の写真

 

(c) 2018 toomath