以前、SoftEtherVPNでVPNサーバーを構築した記事を書きました。
このとき、そのうちVPNサーバーの性能を測りたいと書きましたが、時間ができたのでやってみました。
測定環境
SoftEtherVPNのバージョン:Raspberry Pi 3だけVer4.30、それ以外はVer 4.29
サーバー側のマシン:
- CPU:Core2 Duo E8500、LAN:1000BASE-T、OS:Debian 10
- CPU:Celeron J1900、LAN:1000BASE-T、OS:CentOS 7
- Raspberry Pi 3 model B(CPU:Cortex-A53、LAN:100BASE-TX)、OS:Raspbian Buster
クライアント側のマシン:
- CPU:Core i7 2600K、LAN:1000BASE-T、OS:Windows 10 x64
測定方法
SoftEtherVPNには性能測定できる機能が付いているので、これを使います。
手順は以下です。
サーバー側の手順
まず下記の1~3でサーバー側を起動します。
1.vpncmdを実行
Linuxの場合:
/usr/local/vpnserver/vpncmd
Windowsの場合:
"C:\Program Files\SoftEther VPN Server\vpncmd_x64.exe"
2.「3」と入力してEnter(「VPN Tools コマンドの使用・・・」を選択)
3.「VPN Tools>」と出るので「TrafficServer」と入力してEnter
これでサーバー側の準備はOKです。
なお、サーバー側でファイヤーウォールが動いている場合は止めておく必要があります。
私の環境ではCentOSのマシンでファイヤーウォールが動いていたので、「sudo systemctl stop firewalld」で一時的に停止しました。
なお、再度動かすときは「sudo systemctl start firewalld」です。
クライアント側の手順
次にクライアント側を起動して性能測定を開始します。
1、2はサーバーと同じ
3.「VPN Tools>」と出るので「TrafficClient」と入力してEnter
4.続けて「サーバーのホスト名またはIPアドレス」を入力してEnter
これで測定が開始し、15秒経つと結果が表示されます。
測定結果
以下となりました。
ダウンロード(Mbps) | アップロード(Mbps) | 合計(Mbps) | |
Core2 Duo E8500 | 694 | 840 | 1530 |
Celeron J1900 | 609 | 798 | 1410 |
Raspberry Pi 3 | 32 | 97 | 129 |
グラフにすると以下のような感じです。縦軸の単位はMbpsです。
考察
Raspberry Pi 3がダントツで性能が良くないですが、LANが100BASE-TXなのでしょうがないです。どんなに頑張っても100Mbps以上はでませんので。
Core2 Duo E8500マシンとCeleron J1900のマシンの差が思ったよりも出なかったです。
PassmarkのCPUスコアを見ると、Core2 Duo E8500は2282、Celeron J1900は1852なのでその比は1.23倍あり、もう少し差が出るかなと思いましたが、8%の差にとどまりました。
LANチップの差などもあるのかもしれませんが、そのあたりはよくわかりません。
一応、Core2 Duo E8500はインテル、Celeron J1900はRealtekのチップでした。
我が家では一番性能のよかった Core2 Duo E8500のマシンをVPNサーバーにしたいと思います。
以上、VPNサーバーの性能測定をしてみたというお話でした。どなたかの参考になれば幸いです。
(2019/12/12追記)
その後、SoftEtherVPN経由だとWindowsファイル共有が遅い事象が発生し、対処してみました。↓の記事を書きましたのでよろしければご覧ください。