以前、Linux(Debian 10またはXubuntu 18.04 LTS)でSoftEther VPNを使ってVPN環境を構築した記事を書きました。
しばらくはLinuxで問題ないと思っていたのですが、VPNを介してWindowsファイル共有(samba)で通信すると非常に遅いことが判明しました。
実験したところWindows 10マシン上のSoftEther VPN環境だとほとんどストレスなくsambaを使用することができることが分かったため、改めてWindowsにSoftEther VPNをインストールして設定しました。
以下に手順などをご紹介します。
VPNサーバーを導入するマシン
スペックは以下です。Windows 10がぎりぎり動くという感じですね(^_^;)
CPU:Intel Atom CPU D525(D525MWオンボードのCPU)
メモリ:DDR3 4GB
SSD:120GB
LAN:1000BASE-T
OS:Windows 10(32bit)
構築手順
マシンのIPアドレスを固定する
VPNサーバーとするマシンのIPアドレスを固定します。
サーバーとして使うマシンはIPアドレスが固定になっていないと面倒なので、「DHCP固定割当設定」※をします。
※本機能の呼び方はメーカーによって異なり、NECは「DHCP固定割当設定」、バッファローは「DHCPリース」の「手動割当に変更」、ELECOMは「固定DHCP設定」と言います。
SoftEthre VPNサーバーの入手
以下のサイトからダウンロードします。
https://www.softether-download.com/ja.aspx
以下を選択すると「ダウンロード可能なファイル」が表示されるので好きなバージョンを選びます。
- ダウンロードするソフトウェアを選択:SoftEther VPN(Freeware)
- コンポーネントを選択:SoftEther VPN Server
- プラットフォームを選択:Windows
- CPU を選択:Intel (x86 and x64)
私はrtm(完成版)の最新バージョン(Ver 4.29, Build 9680, rtm)を選びました。
Windowsの場合、「SoftEther VPN Server」に管理ソフトウェアも含まれています。
VPNサーバーのインストール
ダウンロードしたファイル(softether-vpnserver_vpnbridge-v4.29-9680-rtm-2019.02.28-windows-x86_x64-intel.exe)をダブルクリックしてインストールします。
私はすべてデフォルトでインストールしました。
VPNサーバーの設定
VPNサーバーのインストールができたら、デスクトップの生成された「SoftEther VPN サーバー管理」のアイコンをダブルクリックして管理ソフトウェアを起動し、以下の作業を行います。※管理ソフトウェアはインストール後に自動で起動するかもしれません。
VPNサーバーに接続し、簡易セットアップを実行
- 「接続先設定名」が「localhost(このサーバー)」になっている接続先を選択して「接続」を押下する※自分で接続先を設定しない限りこの接続先しかありません
- 「SoftEther VPN Server / Bridge 簡易セットアップ」が開くので「リモートアクセス VPN サーバー」にチェックを入れて「次へ」を押下する
- 「簡易セットアップ - 仮想HUB名の決定」が開くので「仮想HUB名」に適当な名前(例:MyVPN)を入れて「OK」を押下する
- 「ダイナミックDNS機能」が開くので、そのまま「閉じる」を押下する
- 「IPsec / L2TP / EtherIP / L2TPv3 サーバー機能の設定」が開くので、「L2TPサーバー機能を有効にする(L2TP over IPsec)」にチェックを入れ、「IPsec事前共有鍵」に9文字以下の適当な文字列を入れて「OK」を押下する ※ここで設定したIPsec事前共有鍵は、クライアントから接続するときに使うのでメモしておきます。
- 「VPN Azureサービスの設定」が開くので、「VPN Azureを無効にする」を選んで「OK」を押下する
- 「簡易セットアップの実行」が開くので、「ユーザーを作成する」を押下する
- 「ユーザーの新規作成」が開くので、「ユーザー名」に適当な名前を入れ、「パスワード認証」の「パスワード」と「パスワードの確認入力」に同じ文字列を入れて「OK」を押下する ※ここで設定したユーザー名とパスワードがクライアントから接続するときのユーザー名とパスワードになります。
- 「ユーザーの管理」が開くので、そのまま「閉じる」を押下する
- 「簡易セットアップの実行」が開くので「3. ローカルブリッジの設定」でブリッジ接続するEthernetデバイスを選択し「閉じる」を押下する ※有線LANポートが1個しかなければ一つしか選べないはずです。複数ある場合は、コマンドプロンプトで"ipconfig /all"を実行し、「IPv4 アドレス」に意図したIPアドレスが表示されるデバイスを選択します。
これで設定は完了です。
接続確認
あとは接続確認を行って無事にVPNが使えれば完了です。接続確認についてはLinuxと同じですので、 ↓の記事をご覧ください。
以上、Windows 10でVPN環境を作成したお話でした。
Windows 10がぎりぎり動くマシンでもsambaが快適なVPN環境を実現できました~
VPN関連で下記の記事も書いていますので、よろしればご覧ください(^▽^)